論理的な対話で答えを導いてあげて脳を育てる方法【プログラミング教育】

コラム

前回の記事でプログラミング教育において答えを直接教えるのは、プログラミング脳の成長を妨げてしまうというお話をさせていただきました。

間違った教え方は子供をダメにする!?【プログラミング教育】

今回はその続編で、ではどうやって教えるのが良いのかをお話していきたいと思います。

ぜひ教育者の方や保護者の方に参考にして頂けたら幸いです。

順序立てた対話で情報を整理する

プログラミング脳を育てるために重要なのが、1つ1つ順を追って情報を整理していくことです。

どこが間違っていたのか、どういう風にするのが良かったのかなど子ども自身で気付けるように導いてあげるのが論理的な対話です。

論理的な対話で答えを導くことには以下の3つの効果があります。

  • 順序立てて情報整理することが出来る
  • 自分で間違いに気付けるようになる
  • 論理的思考が身につく
  • ひとつひとつ紐解いて考えることで、子供がどこがわかっていないのかを把握することができ、わからないまま進めて将来的にもっとわからなくなるということを事前に防ぐことができます。

    では、具体的にどのように進めていくかを見ていきましょう。

    順序立てて質問していく

    論理的な対話で大事なのが、順序立てて質問していくことで、情報を整理していく点です。

    そのためには、質問する順番がとても大事になってきます。

    ひとつひとつしっかりと理解できているか、見落としは無いかを聞いていくために以下の順番で質問するのが良いです。

    質問の順番
    1. プログラミングの目的(ゴール)
    2. 今の現状(課題点)の把握
    3. 改善点の理解

    上記の表現だと少しわかりにくいので具体的にひとつひとつ見ていきましょう

    1. プログラミングの目的(ゴール)を理解する

    プログラミングにおいて、最初に大事なのが目的(ゴール)を理解することです。これは、「何」を「どうする」ためのプログラミングなのかということです。

    プログラミングの目的とは、例えばロボットをスタート地点からゴール地点まで移動させる。といったようなものです。

    問題文を正しく読み解いて、やるべきことがわからないとプログラムを作ることができません。この時点ではプログラミングの知識というより、文章の読解力が求められます。

    最初に子供にはこう尋ねましょう。

    この問題(プログラム)は「何」を「どうすればいい」問題かな?
    ロボットをスタートからゴールまで移動させればいい!

    もしくは、

    この問題(プログラム)は「何」を「どうしたい」のかな?

    と聞いてあげるのも良いでしょう。

    この質問によって、子供が自分で答えることで改めて問題の意図を再確認できます。目的を明確にしてあげるだけで間違いに気づいて、何がダメだったのかそれだけで理解する子もいるでしょう。

    2. 今の現状(課題点)の把握

    目的が明確になったら次は現状の把握です。

    今「どこが」「どうなっていて」ゴールに辿り着けていないのかを聞くことで課題点を明確にしましょう。これも教える側が答えるのではなく、質問によって子供から答えを引き出してあげるようにしましょう。

    ゴールさせたいけど、今はどんな状況??
    ロボットがゴールに行ってくれないの。
    なぜゴールに行ってくれないかわかるかな?
    ここを曲がらないといけないのに、うまく進んでくれないの

    上記は例ですが、このように対話によって掘り下げて聞いてあげることで具体的な問題点を明確にしていきます。

    もし問題点がうまくわからない場合は、1の目的の把握に戻って何をしたい(するべき)なのかもう一度振り返ってあげることが大切です。

    3. 改善点の理解

    目的が明確になり、問題点の箇所がわかったら、次はどういう風に改善していけばいいのかを質問によって導いてあげましょう。

    これも最初から答えを教えるのではなく、質問によって子供が自らの考えを口に出して言えるようにしてあげることが大切です。これによって、自分の頭で考えてアウトプットするという能力がメキメキと育ちます。

    ここを曲がるためにはどうなって欲しいかわかるかな?
    ロボットが左に向かないといけないけど、そのまま真っすぐ進んじゃうの
    そうだね。曲がりたい場所で一度止まってみてはどうかな?
    そうか!曲がりたい場所で一度動きを停止させてから左を向けばいいんだ!
    じゃあ今思いついたことを一度やってごらん!

    上記の例は少し答えを言ってしまっていますが、気づかせるためのヒント程度であれば問題ないです。そして、子供が思いついた考えは必ず否定するのではなく、1度やってみるということが大切です。

    そして、その答えがまた間違っていたら、2.現状の把握に戻って何度も試行錯誤することが重要です。

    この繰り返しがプログラミング脳をメキメキと育てていくのです。

    論理的な対話で重要なポイント

    今回は論理的な対話によって答えに導いていく方法について解説しましたが、重要なポイントを改めてまとめたいと思います。

    これらを意識することで、子供の才能と能力を大きく引き伸ばしてあげましょう!

    ぜひ、生徒またはお子さんと一緒に対話を楽しみながらプログラミング教育にチャレンジしてみてください。きっと素敵な時間になることでしょう!